ボカロとアニソン

 現在の「アニソン」という言葉が、既に内側からも、元来の「アニメソング」とは別のものとして捉えられているのは、最大級のアニソンライブイベントに初音ミクを登場させているあたりからも明白だ。

 映像に付随する音楽。キャラクターとの親和性の高さ。アニメファン含むオタク層寄りの作り手と受け手。ボカロがアニソンの枠内で捉えられるのは、このへんが大きいんだろう。特にキャラクターとしての面。

 アニソンってのは基本的にはアニメソングの略語で、つまるところ「アニメ用に作られた歌」以外の何物でもないと思う。これは決して「その作品のために」なんて原理主義者的なことを言うつもりじゃなくて、出典がどこにあるかだけの話。

 んでも、あくまでこれはウチだけの話で、大多数の人はそうじゃないのだと思う。思うんだけど、そういうものがロクに意識されず、どこかしら従来のアニソンに引っかかるってだけで、好みの曲を曖昧な枠に入れて満足してるだけなんじゃねーの、とも思う。

 他の物と区別したくないなら、アニソン、アニメソング、なんて言葉は要らないはずで、区別したいからこそ言葉があるのだから、何と区別したいのか、考えてみてもいいんじゃないかな。

 そこで、オタク-要するに自分-と接点のある音楽かどうか、ってことで区別するのは、いくらなんでもちょっと乱暴なんじゃねーの?と。もうちょいでアトムから50年経つ、ってくらいの時間を育ってきたんだ。好きならなおさら、お互いの理解を深めようとしてもいいはずだ。



(20090904にTwitterへ投稿したものを若干修正して転記)